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「環境に美しさを加えたブランドを作ります」

ESGを中心とするビジネスパラダイムは、今や業界全体の選択ではなく必須となっています。その中でもカーボンニュートラルの時代に歩調を合わせたサスティナビリティ、倫理的消費などは世界的にも重要なイシューとなっている。

VC業界はこのようなトレンドが規模の経済になると予想して投資を集中している。スタートアップアライアンスとトリフライトが発表した『The Big Wave:ESG、2021~2022スタートアップ投資会社認識調査報告書』によると、投資会社の77.9%は「ESG投資を維持または拡大する」と答えた。またスタートアップ投資会社は、ESGを考慮した投資が「投資リスク管理」に役立つと答えた。スタートアップの可能性を見て冒険的な投資をするスタートアップ投資会社が投資リスクを減らすための一つの方法としてESGを見ているというわけだ。

ファッション業界もやはり環境に配慮した「コンシャスファッション(良心的ファッション)」ブームが主流となっている。市場調査機関のリサーチ&マーケットによると、世界的にも「良心的ファッション市場」の規模は、2019年63億5000万ドル(約7兆6100億ウォン)から2023年82億5000万ドル(約10兆ウォン)規模に成長するとの予想だ。

国内ファッション界もやはり環境への配慮の価値を中心としたESG経営に集中している。リサイクルポリエステル繊維市場は着実に成長しており、ビーガン素材を活用したファッション企業の市場進出も増加の傾向にある。

プリーツママはゼロウエイスト工法でファッショナブルな製品を作っているブランドであり、環境配慮型のスタートアップだ。プリーツママの製品はすべて、済州島、ソウルなど国内で発生した廃ペットボトルから作ったリサイクル糸で製作されている。ニットプリーツバッグというユニークなバッグアイテムからスタートし、ここ数年の間にレギンス、マンツーマンなどのワンマイルウェア、そしてプレミアムラインナップまで製品群を拡張していく段階的な成長を示している。2018年にプリーツママの製品がローンチされてから2021年までの3年間の売上増加率は年平均150%に達する。プリーツママのワン・ジョンミ代表に会って話を聞いた。



始まりについて伺いたいと思います。20年間会社で働いた後に2017年に起業にチャレンジしました。

ニットプロモーション会社でデザイナーとして働きながら、日常的に目についたファッション産業の問題点が起業に結びつきました。当時在職していた会社の事業構造は、顧客社のオーダーが取り消しになると発注しておいた原材料をすべて抱えることになる仕組みだったので、一年に捨てられる糸だけでも7~8トンに達しました。とてももったいなくて、普段から同僚と一緒に捨てられる糸で何かできないものかと考えていました。その後、通っていた会社の状況が悪化して閉業することになったのですが、偶然目に入った捨てられる糸の山に着眼して起業に挑みました。


会社を立ち上げた経験もなく、ワーキングママの立場では容易ではない決定だったと思います。

後回しにしてしまうと永遠に挑戦できなくなりそうだったので、まずは小規模で初めて少しずつ拡大していくならば可能性があるはずだと判断しました。最初のアイテムのデザインと方向性などの輪郭が浮かんでくると、家族たちもうまくいきそうだと応援してくれました。


長年の職場生活と短くない創業者生活のどちらも経験なさいましたが、どんな違いがありましたか。

会社の存続が代表である私にかかっているので、重大な責任を感じ、様々な案件について最終的な意思決定をしなければならないというてんで、会社員としての生活と創業者としての生活は異なります。会社員の場合は与えられた役割と業務に忠実でさえあれば、他のことは気にする必要はありませんでしたが、現在は会社を経営する立場なので、与えられた業務だけをしていてはなりませんし、そうしているわけにもいきません。売上管理、営業、人事、マーケティング、財務、税務などすべて気にかける必要があります。もちろん、それぞれの業務担当者はいますが、どのように進んでいるのかを確認して、容易ではない決定をしなければならないことがよくあります。

スタートアップの代表なので、会社で人手が必要なことがあれば何でもサポートします。たとえば、数年前までは顧客サービスの応対を私が引き受けていたのですが、電話で相談を受けていて名前を聞かれたので答えたところ、お客様は驚いていました。まさか社長が電話応対をしているとは思ってもいなかったのでしょう。

ただ、責任と同時に選択の権限があるというのが特権といえるでしょう。私はプリーツママの代表ですが、デザイナーでもあります。今のところ製品デザイナーは私一人なので、私が普段からしたいと思っていたデザインを思いのまま試すことができるという利点があります。デザイナーなら誰でも自分がデザインしたアイテムを実際の製品として量産する際に誇りを感じますが、一般的には上司やクライアントの反対に遭って挫折することが多いのです。私はそのようなことをあまり経験しないので、デザイナーとしてとても高い満足感を得ています。


アイデアを具体化するには資金が必要です。どのように用意しましたか。

会社勤めをしながら貯めたお金でプリーツママの創業資金を用意しました。小さな規模から始めて徐々に増やしていったので、多くの資本が必要ではありませんでした。明確な価値を持った製品でマーケティングをうまくすれば、スモールブランドも生き残れる時だと考え、ブランド成長戦略を細かく策定することに集中しました。

その後、ブランドを立ち上げて1年6か月ほど経った頃、個人投資家から最初の外部資金投資を得ました。 2020年1月にエンジェル投資、7月にシード投資を受け、研究開発室「フリマラボ」を設立し、より体系的な研究開発を通して様々な新製品を作ることができました。


創業の過程が楽だったと言う創業者はいません。これまで多くの試行錯誤と難関があったことでしょう。

創業初期、糸の供給プロセスは楽ではありませんでした。いろいろな素材を念頭に置いて悩んでいる中で、バッグの製作に適した廃ペットボトルリサイクルポリエステル糸「リーゼン」を暁星TNCで生産しているという情報に触れました。しかし、暁星TNCは主に大規模なB2B取引をしているので、プリーツママのような小規模ブランドが取引を実現するには高いハードルがありました。代表電話番号、Eメールなど様々な方法で連絡を取り、紆余曲折の末に担当者と会ってミーティングを行い、暁星TNCの本社を訪れて私たちの製品を実際に見てもらい説得して難関を克服することができました。製品の実物を見た担当者がプリーツママの競争力と潜在力に高いスコアを付け、実務者たちを招集し糸が調達されるように社内の関係者たちを説得してくださいました。プリーツママのようなコンセプトとデザインのバッグ自体が珍しかった時であり、暁星TNCのエコポリエステル糸「リーゼン」の発売以来、これを活用したバッグが生産されたことが一度もなかったことが幸いしたようです。


女性創業者がガラスの天井があるのを感じると吐露することがあります。そのようなものを感じたことはありませんでしたか。あったとすれば具体的にどんな部分でそれを体感し、解決しましたか。

今まで多くの困難がありましたが、子育ての負担が女性に過度に負わされるという現実に最大の苦労を感じました。創業初期、息子は小学生だったので、母親の手がたくさんかかる時期ですが、メーカーとのミーティング・納品・配送などを私がすべて担当しなければならなかったので、毎日退勤するのがどうしても遅くなりました。会社代表の役割と母親の役割が衝突し、子供ともっと時間を過ごすことができないのに申し訳ない思いと罪悪感が大きかったです。幸い、実家の母が子供を全面的に引き受けてくれたので克服できました。もし母の助けがなかったら仕事に完全に集中できなかったでしょう。女性創業者だけでなく、すべてのワーキングママが同様の悩み抱えていると思います。

また、女性の起業に対する実質的な支援が足りないことも残念でした。起業を決めてから準備段階で女性起業支援センターや雇用センターをたくさん調べましたが、資格要件や手続きなどが非常に厳しいと感じました。起業に挑戦する未来のより多くの女性のために、今よりも幅広い制度が用意されていればと思います。


消費者としてリサイクルに関心を持つのと創業者としてビジネス的にアプローチをするのは違いがあると思いますが、ニットを利用した事業アイテムはどのように発掘したのですか。

最初からビジネス的な観点から考えました。いくら意味が良くても、製品の生産、流通、消費に参加する主体に帰る効用が少なく、成長に限界があれば持続可能性が少ないと判断しました。残った生地や在庫衣類をリサイクルする方法はその趣旨と意味は良いものの、利益の創出や製品開発のスケーラビリティに不利な構造です。環境を考えるという意味は生かしながら、より大きなインパクトを与えたいと考えました。

最初に考えたのはウール素材ですが、ウールは大量生産が可能なほど廃棄糸が多くなく、規模の経済の実現が不可能という欠点がありました。ウールを利用すること自体が環境のためという意味はありましたが、「クラフトマンシップ(Craftsmanship)」に依存した工芸的なアプローチが必要だったため、マーケットシェアの側面での成長性に限界が見られました。プリーツママは最初から大量生産を念頭に置いたので、拡張性の高いビジネスモデルの材料としては合いませんでした。

他の素材を探している時に、暁星TNCの「リーゼン」繊維の存在を知りました。廃ペットボトルとポリエステル繊維の原料はほぼ同じですが、リーゼン糸の場合、環境にも役立ちながらポリエステルの長所はそのまま生きている最適な糸でした。バッグのサンプルを作ってみると、ウールで作った時よりも形がずっときれいに出て発色性に優れ、好みの色味を表現するのに最適でした。切れ端を残さずに編んで製造することは、私がニットデザイナーとして長く働いていたので、私にとってはおなじみのアイデアでした。

普段からバッグのアイテムが好きだったので、自分が持ちたいバッグを自分で作ってみようと思いました。退社後、子育てをしながら近所に出かけることが多かったのですが、気楽な無彩色の服にポイントとなる色を与えると同時に実用的に持ち歩くことのできるバッグはなかなかありませんでした。近所に行くのに高価なバッグを持っていくのもおかしいので、気楽な服装のポイントとなるようなアイテムが必要だったからです。自分が持ちたいバッグを考案してみたところ、デザイン的にも美しく、実用性まで備えた製品を作ることになりました。使わないときはプリーツ上に折りたたんで収納できるデザインも実用性を考えて知恵を絞った結果です。


事業を展開する市場について分析をしたことと思いますが、リサイクル産業の市場規模はどれくらいですか?その中でプリーツママが集中する目標市場(Target Addressable Market)は具体的にどの市場ですか?

市場調査機関のリサーチ&マーケットによると、倫理意識と環境に配慮する世界中の「良心的ファッション市場」の規模は、2019年に約7兆6100億ウォン、2023年には10兆ウォン規模まで成長すると見込まれているそうです。国内でも環境にやさしい製品がないファッションブランドを見つけるのが難しいほどの状況なので、このような規模と成長性は驚くようなものではありません。

リサイクル産業市場は大きく2つに分けられます。廃プラスチックなどのごみを回収し、化学的な加工を経て新たな原料にする「原料リサイクル」、捨てられた垂れ幕など、すでに世に出た完成品を切り貼りして新たな価値を加える「アップサイクル」です。

プリーツママが主眼点を置いている市場は前者に該当します。ただし、これまでは廃ペットボトルという原料に大きな重心を置いていましたが、今後、カーボンニュートラルを目標に環境汚染に影響するすべての材料を念頭に置いてリサイクルを実現することに集中しています。現在開発している廃漁網、廃ネットのリサイクル製品や昨年発表した繊維廃棄物のリサイクル製品といった捨てられるゴミをファッションアイテムとして再誕生させ、世界に向けてリリースするために努めています。


リサイクル製品の効用性は誰でも認めますが、具体的な部分はよく知られていません。従来製品よりどのくらいのエネルギーを節約できますか?リサイクル製品を作る際にも汚染、ゴミ排出が発生します。

リサイクル製品に対する否定的な見方も多数存在します。その中には物を買わないのが正しいという主張もあります。消費をしないことが環境のための最善の行動だという命題には同意しますが、そのように生活し続けることはできません。私たちがする活動は、必要に応じて消費が避けられない場合、新製品ではなくリサイクル製品を、長く、またファッショナブルに使用しようと提案するのです。

リサイクル製品の製作は、分別、選別、洗浄などのプロセスが追加となるので、新製品の生産に比べて1.5倍から2倍ほどの電気や水のエネルギーが使われます。しかし、新製品を作り続け、使い、無分別に捨ててきあので、環境汚染が悪化したということを強調したいと思います。ごみを処理するのに費やされる社会的費用を考え合わせなければなりません。

プリーツママは、糸のリサイクルと呼ばれる必須のプロセスで発生するエネルギー以外のすべてのゴミ排出量を最小限に抑えます。ひとつの製品が誕生する過程を例に挙げると、プリーツママは廃プラスチックリサイクル糸を活用(原料)し、布の切れ端が残らないようにニット編みの方式を借用(製作方式)し、プレオーダーを受けて予想される在庫を最小化(生産)します。また、工場を最短距離に維持(流通)、無償修理(アフターサービス)などを通じてゼロウエイストを追求し、製品を長く使えるようにします。製品全体のライフサイクルの観点から見ると、リサイクル製品の生産と使用は一般製品よりも環境及ぼす影響は小さいものとなります。

この他にもプリーツママは、すでに完成品として世に出てきた服が再利用される方法について考え、「ガーメントリサイクル(Garment Recycle)」製品を発表したりもしました。プリーツママはこのようなリサイクルシステムを構築することで持続可能なファッションの発展を遂げたいと考えています。


販売された製品の中で最も人気のモデルは何ですか。 またその理由は何だと分析しますか。

プリーツママシグネチャーアイテムであるショルダーバッグが2018年の初ローンチから現在までステディなベストセラーの座を占めています。様々に活用できるサイズと流行にとらわれないすっきりとしたデザインというメリットを人気の要因として分析しています。 また、最近のワンマイルウェアブームとともに近距離への外出時に手軽に持つことのできる小さなバッグとしてのナノバッグも人気です。



30億ウォン規模のシリーズAラウンドの投資誘致をしました。投資規模を減らそうと努力したそうですが、ベンチャーキャピタルの投資はできるだけ受けようとするのが一般的です。

製品だけでなく経営戦略も不要な要素を取り除こうと努力しています。そのような意味で投資も必要な分だけ誘致しようと下方調整しました。初期エンジェル投資とシード投資を通じて確保した資金は、プリマラボの設立、プレシリーズA投資はグローバル市場進出のための基盤固めのためであり、シリーズA投資はスマートスペースの構築など、投資ごとに活用案が明確だったため、それ以上の投資は必要ないと判断しました。


背景にはしっかりとしたキャッシュフローを保有しているからだとも言えるのではないでしょうか。

創業以来、一度も赤字を出したことがなく、四半期ごとに2桁成長をし、黒字が続いています。規模の拡大ではなく、方向性の確立と長期的な成長に集中することによってロングランすることを目指しています。満4年が少し過ぎた新生ブランドという点で、急いで規模を大きくして逆効果の可能性を育てるよりは、じっくりと正道を歩んで行こうと考えています。


ESGは国内に限ったイシューではありません。プリーツママはグローバル進出も活発に行っていますね。 

2019年2月にカリフォルニアに初めて輸出したのを皮切りに、バーニーズニューヨークインジャパンへの出店、グローバルサイトオープン、昨年末の米国デザイン特許登録に至るまで、着実に努力を傾けています。

国内では数年来、ESGのトレンドが急浮上していますが、海外は環境にやさしい消費の動きが韓国よりも先に浮上していた市場なので、海外の消費者からも良い反応が得られています。アメリカやドイツからホールセールの輸入を要請する連絡も多く来ており、アメリカのオンラインセレクトショップなどに出店しています。プリーツママが独自に運営するグローバルオンラインサイトへの、香港、シンガポール、日本、台湾など海外からの直接注文も増している傾向にあります。

このような成長を踏まえ、これまで誘致してきた投資金をもとにグローバル市場への進出を加速化する計画です。いつか海外でオフライン単独ストアを出したいと思います。


数々の会社と手をつないでコラボレーションしましたが、思い出に残るプロジェクトがあれば教えてください。

様々な民間企業、公共機関、団体とのコラボレーションをしました。通常、プリーツママで販売しているバッグに相手ブランドのアイデンティティを加味したデザインでコラボレーション製品を出すことが多いのですが、衣類やクマのぬいぐるみといった風変わりなアイテムでコラボレーションをしたこともあります。ソウルの環境美化員と済州島のノープラスチックグリーンサポーターズのために制作したユニフォームベスト、そして新羅ステイとともにクマのぬいぐるみの綿まで製作したのがそれに該当します。

最も記憶に残るプロジェクトとして2021年7月に行ったブルーボトルとのコラボレーションを挙げることができます。済州島初のブルーボトルのショップが旧左邑にオープンし、プリーツママとコラボしてエプロン、Tシャツなどを製作しました。ブルーボトル済州店のスタッフが着ているTシャツとエプロンはプリーツママの製品です。

それらの製品は済州島で回収したペットボトルを活用した糸「リーゼン済州」で作られているという点で、より大きな意味があります。2020年、プリーツママが暁星TNC、済州開発公社と手を組んで廃資源の国産化を済州島で初めて成功させ、国内ペットボトルを製品として商用化しました。その後1年でグローバル企業のブルーボトルとコラボレーショングッズを製作し、資源の好循環の新たな転換点を迎えることになり、特に感慨深いものがありました。創立初期のビーンポールとのコラボレーションでニットバッグをローンチすることでスタートしたコラボレーションが、数年の間に新しい様々なアイテムへと進化し、今後も新たに発表するものが多く控えていますので、ご期待ください。


リサイクル業界には多くのプレイヤーがいますが、プリーツママだけの差別化されたコンピテンシーは何ですか。

最大の強みは「環境にやさしい」というキーワードを除いても依然として魅力的なブランドだという事実です。 100%リサイクル糸を使用し、すべての生産過程で二酸化炭素の削減を考慮するなど、私たちの方向性であり、大きな強みが「環境に対する配慮」であることは事実です。しかし、それ以前にプリーツママは基本的にファッションブランドとして「美しさ」を追求します。優れた品質をはじめ、ポップな色合い、面白いデザインとシルエット、軽さとゆとりのある空間性など、製品ひとつにも想像以上の心血を注いでいます。環境にやさしいブランドとして記憶されることだけがプリーツママの究極の目標ではないからです。

環境への配慮とファッション性の両方をものにするために努力した結果、プリーツママは消費者個人の好みや年齢にかかわらず、広く愛されています。環境への配慮という面を抜きにしてもバッグそのものだけでも競争力のあるブランドだということ、それこそが、プリーツママが他のリサイクリングブランドと区別される特徴です。


売上がとても伸びたということですが、今年はどれくらいを計画していますか。

残念ながら正確な売上推移を公開することは難しいのですが、2018年にプリーツママ製品をローンチしてから2021年までの3年間の売上増加率は、年平均150%です。具体的な売上目標はありませんが、これまでと同様に今年も二桁の成長を着実に続けていきたいと思います。



見た目の成長とともに内部の結束力を固めるのも創業者の仕事です。これまでチームビルディングはどのようにしてきましたか。また、会社の運営にあたり人材管理はどのようにしていますか。

チームビルディングにおいても必ず必要な人材だけを一人ずつ充てる方向で採用を進めてきましたが、普段からの知り合いが同僚になるケースが多いです。その代表として、プリーツママの製品を納品して知り合ったセレクトショップのスタッフが現在、プリーツママのショップのフロアマネージャーとして働いています。業務パートナーとして長く付き合いながらその実力が確認でき、プリーツママについても自然とよく知るようになっていたので、適任者だと思い、一緒に仕事をしようと提案しました。 

加えてプリーツママはキャリアが断絶した女性を積極的に採用しています。創業初期、製品検収のために私と同じ年ごろのキャリア断絶女性を採用したことがあります。とても丁寧で細かく検収してくれました。それからは特に採用公告を出すのではなく、在職中の社員が志望者を推薦するということが繰り返され、自然にプリーツママ内のキャリア断絶女性の割合が増えました。私もキャリア断絶の危機に瀕していただけに、これからもこの基調を維持するつもりです。

人材管理は人を扱うことなので、今でも難しく感じる部分です。とっつきにくい代表ではなく、親しい先輩としてのポジショニングをしようと努めています。 20人にも満たない規模のスタートアップで、クルーたちの役割がチームワークに及ぼす影響が大いので、一人も残さずケアするという気持ちでクルーに接しています。常にオフィスの雰囲気メーカーになるという心持で業務に取り組んでいます。


スタートアップ型の人材とはどんな人だと思います。

スタートアップの創業者として、スタートアップに最も適した人材はと言えば「問題解決型人材」です。ほとんどのスタートアップは業務分掌が明確になされておらず、時には自分が望まない業務を担当することもあります。これが問題と考えられるかもしれませんが、一方ではキャリアを伸ばす機会にもなります。意見を述べて主導的にプロジェクトを進めることもできます。変化の多い環境の中でも問題を解決しながら大きな達成感が感じられるという方ならスタートアップで働くことをおすすめします。


では範囲を絞って、プリーツママに適した人材はどんなタイプですか?そのような人材にたいしてプリーツママができることは何ですか?

職務によって必要な能力は異なりますが、プリーツママという会社と環境への関心が必要です。実際に業務を進める時に、そのような心構えが格別な人とそうでない人では、パフォーマンスにどうしても差が出てきます。そして最近、多くの企業で「カルチャーフィット」を強調しますが、プリーツママも同じです。

「環境への配慮」、「ファッション」という2つのキーワードを念頭に置いて働く人材ならば、プリーツママでのキャリアが後の膨大な資産になると自負しています。プリーツママは「国内初」というタイトルを掲げ、多くの廃資源の国産化、OBP国際認証、ガーメントリサイクルなど、環境にやさしいプロジェクトを進めてきました。持続可能なファッション業界の最前線で、数多くのプロジェクトを進める旅を共に歩む経験と誇りを提供します。


人材管理というイシューの延長線上の質問ですが、従業員のビジョンを会社のそれと一致させる方法にはどんなものがありますか?

本質的な話と思われるかもしれませんが、ブランドを愛するならば、スタッフも会社と同じ視点を持つことができると思います。プリーツママは従業員を第一のターゲット消費者と考えています。私たちのクルーは環境に配慮する価値のある消費をしており、ファッションに大きな関心を持っており、ターゲットとする消費者群と一致します。従業員を満足させることができなければ消費者の心をつかむことも難しいという考えで製品を開発しているので、クルー達の意見を取り入れて作ったアイテムが多くあります。

また、プリーツママが消費者に真正な姿勢で正しい消費態度を提案するように、クルー達にも同様に一貫性をもって事業の方向性を共有します。会社の明確な目標が存在していなかったり、従業員個人がその目標に共感できなかったりするならば、仕事をするにあたり明確な動機を得ることができないからです。 「プリーツママが環境を美しく守っていく」というメッセージを共有することで、同じ目標に向かって進んでいます。


プリーツママの具体的なビジョンは何ですか?どのようなブランドを目指していますか?

単なるファッションブランド以上のものとして、プリーツママを選んだ意識のある消費者と共に、より良い世界をつくるリーディングブランドになりたいと思います。

プリーツママは意識の高い消費を始めることを提案する「ミーサイクル(MeCycle)」を、新たな消費コンセプトとして提案していますが、ミーサイクルとは、消費者(me)に美しい(美)リサイクル・アップサイクル商品を提供し、資源の円滑な循環を導くプロセス全体を意味します。リサイクル(ReCycle)とアップリサイクル(UpCycle)を経て、新たに生まれた製品が、再び捨てられることなく消費者に選択されるよう、そして消費者が選択した製品がうまく活用され、美しい循環が完成するように全方位的に努力をしています。

さらに、プリーツママが実質的に削減している炭素の量をデータ化し、環境への貢献度を共有する計画です。環境配慮型のプラットフォームを構築することを課題としており、正しい嗜好を持つ消費者の「低炭素ライフのパートナー」になろうというビジョンを持っています。


創業者は孤独だと言われます。そのような孤独さと悩みはどのように解決していますか。

「悲しみは分ければ半分になる」という言葉のように、孤独と悩みはプリーツママのクルーたちと分かち合って解決しています。創業者の孤独感というのは、社長一人で多くの責任を抱える中で発生する影のようなものです。幸い、私にはクルー達がいるので大きな孤独を感じることはありませんでした。プリーツママの初期から現在まで、寄り添ってくれているチームメンバー達のおかげです。ただ隣の席に座っているだけでも心強いのです。ぶつかった問題を解決するのが難しいときには、クルー達に意見を求め、共に悩み、解決策を見出します。そのように共に風波に耐えながら頼ることができたおかげでここまで来ることができました。


会社代表としてではなく、個人としてのワン・ジョンミのビジョンや目標は何ですか?

個人の欲求と公共の利益が矛盾なく共存できる方法を探すことに個人的な興味と使命感を持っています。今後も環境だけでなく、人権・動物権など様々な議題をスタートアップの観点から見て代案を提示することを続けていきたいと思います。


最後に一言。

プリーツママは、単に製品を販売する会社を超越して、持続可能な「ライフスタイル」を伝えたいと思います。私たちは不便で面倒な環境保護を要求することはありません。ヒップで楽しく、そしてはつらつと環境と向かい合います。環境保護に関心と希望を持って参加はするけれども、ファッションや文化も見逃せないという方のためのブランドです。このような全体的なライフスタイルを届けたいと思います。消費者が環境に配慮しながら自分の立場で楽しく実践できるようにサポートしたいと思います。そうしているうちに少しずつ良い環境が作られるのではないでしょうか。








意識の高い消費の始まり


©2022 PLEATSMAMA™ All Rights Reserved

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