
環境にやさしいファッションに関心を持つ消費者の間で「ニットプリーツバッグ」はよく耳にする名前だ。ニットプリーツバッグは、使用済みのペットボトルをリサイクルして得た糸で作られたもので、このバッグのメーカーが2017年に設立されたプリーツママである。プリーツママのワン・ジョンミ代表は、ファッション業界テスラを夢見ていると語る。内燃機関を搭載した自動車を生産する他のメーカーとは異なり、初めから環境にやさしい電気自動車のメーカーとして誕生したテスラのように、プリーツママも環境にやさしい素材だけを用いた製品を発表したという共通点がある。
30日、亜洲経済のインタビューを受けたワン・ジョンミ代表は、「国内の環境配慮型アパレル業界はまだ規模を論じることもできない段階だが、それに比べて海外ではナイキやH&Mのような大企業も環境配慮型の繊維の使用を100%に増やすと公表するほど、関連産業がしっかりと定着しつつある」と診断した。実際に、韓国繊維産業連合会の資料によれば、米国の環境配慮型アパレル市場の規模は、最近10年間で300%以上の伸びを示し、50億ドル以上となっている。ワン代表は「国内でも関連市場は伸びているが、プリーツママのように生産から流通まで、すべての過程を環境配慮型にしようとしているブランドは珍しい」と付け加えた。
◆美しい好循環ミーサイクル(Me-Cycle)
プリーツママは「自分が捨てたペットボトルがバッグに生まれ変わる」というスローガンを掲げた。会社はリサイクル(Re-Cycle)とアップサイクル(Up-Cycle)を越えて、「自分(Me)」から始まる価値の消費と美しい好循環、「ミーサイクル(Me-Cycle)」という概念を提示し、顧客とコミュニケーションしている。
プリーツママは韓国で初めて使用済みのペットボトルをリサイクルしたブランドとして名を刻み、海洋廃プラスチックをリサイクルする初のブランドとして、環境にやさしいファッション産業をリードしている。 2020年6月には済州開発公社、暁星TNCとの協業で廃資源の国産化を成し遂げた。それまではリサイクルに必要なペットボトルの供給は、日本や台湾から輸入する洗浄済みのペットボトルに頼っていた。
ワン代表は、「リサイクルが廃漁網のような海洋ごみにまで広がったという点は肯定的で、今のところはまだPET素材のリサイクルに集中しているが、多様な資源をリサイクルする技術が開発されている」と語った。
プリーツママはこれまでペットボトル185万本をリサイクルして商用化に成功した。これは500mlを基準としたもので、長さにすると地球を50周、地球と月の間を2.6回往復できる長さということだ。
プリーツママは「やさしい(環境配慮型)素材」にばかりこだわっているのではない。 「良いデザイン」もファッション業界で生き残るための勝負において欠かせない。
ワン代表は「ブランドのモットー「ルックシック、ビーエコ(Look Chic、Be Eco)」で、「ビーエコ」よりも「ルックシック」が先にあるように、プリーツママは結局のところファッションブランド」だと語った。彼女は「選ばれるデザインのためにすべての力を注いでおり、自らデザインに関与してデザイナーとして数十年積み上げてきたキャリアが込められている」と付け加えた。
消費者がプリーツママのアイテムを選ぶもう一つの理由がある。それは「折りたたんで保管できる」ということだ。
ワン代表は「初期のデザイン作業から消費者の立場で携帯性を活かせるようにした」とし、「実際に多くの顧客がこのような点を好んでくれている」と語った。彼女は「たたんで広げたときに、プリーツがきれいに出るかどうかは技術力にかかっている。私たちの技術チームが1年間かけて糸の配合技術に取り組み、優れたプリーツの復元力を実現した」と付け加えた。
◆「ESG、いつの間にか消え去る一時の流行ではない」
プリーツママではESG(環境・社会・ガバナンス)が世界的なイシューとなった点が大きな好材料だと語る。つまり、環境のためになる製品に金銭を使う「価値ある消費」のトレンドが定着しつつあり、資源循環システムの構築に資本を投入する国と企業が増えているということだ。ESGはすぐに消えていく流行ではなく、長期的な観点から産業全体を変えていくものと考えられるという点はさらに肯定的だ。
プリーツママは独自の努力だけでなく、このような好機を足場として、今年二桁の成長を目指している。今年3月には「ラブソウル」エディションでマンツーマンやレギンスなどのワンマイルウェアへと製品群を拡大し、ライフスタイルブランドとしての飛躍への一歩を踏み出した。9月にもプレミアムラインナップとして様々な新アイテムをリリースする予定だ。
もちろんプリーツママもファッション業界を取り巻く状況を免れることはできない。
ワン代表は「ファッション産業はどの産業よりもレッドオーシャン化が進んでいる」と述べた。「(ファッション産業)参入障壁が相対的に低く見えるという錯覚も、レッドオーシャン化が進む理由かもしれない。この産業こそ真正性のあるストーリーが重要で、顧客と共に考え、成長したブランドだけがつくり出していけるものだ」と語った。
グリーンウォッシング(見せかけの環境への配慮)も憂慮すべき課題だ。偽物の環境にやさしい製品に阻まれて、本物は背を向けられてしまう可能性があるという意味だ。
ワン代表は、「最近、技術的にリサイクルが不可能なコラボレーションを提案されて断ったことがある。他のブランドがその提案を受けて商用化すると聞いたが、グリーンウォッシュの事例を目にするのは残念なことだ」と語った。「一般の人が環境にやさしい製品の真偽を区別するのは難しく、制度的に環境配慮に関する認証を強化して消費者を保護すべきだ」と付け加えた。
環境にやさしい製品ほど原価が高くなるという点も克服しなければならない課題だ。他の製品にはないリサイクルのプロセスがあることから、コストは当然のことながら高くなる。
ワン代表は「リサイクル製品がなぜこんなに高いのかと言う消費者も多い。皮肉なことに、製品の多くはリサイクルして作るよりも新しく作る方がはるかに安い」と述べた。「私たちの立場としては、コストがかさむので理解していただくしかない。ストーリーやデザインといった高付加価値で勝負するというのが私たちの宿題だと思う」と付け加えた。
環境にやさしいファッションに関心を持つ消費者の間で「ニットプリーツバッグ」はよく耳にする名前だ。ニットプリーツバッグは、使用済みのペットボトルをリサイクルして得た糸で作られたもので、このバッグのメーカーが2017年に設立されたプリーツママである。プリーツママのワン・ジョンミ代表は、ファッション業界テスラを夢見ていると語る。内燃機関を搭載した自動車を生産する他のメーカーとは異なり、初めから環境にやさしい電気自動車のメーカーとして誕生したテスラのように、プリーツママも環境にやさしい素材だけを用いた製品を発表したという共通点がある。
30日、亜洲経済のインタビューを受けたワン・ジョンミ代表は、「国内の環境配慮型アパレル業界はまだ規模を論じることもできない段階だが、それに比べて海外ではナイキやH&Mのような大企業も環境配慮型の繊維の使用を100%に増やすと公表するほど、関連産業がしっかりと定着しつつある」と診断した。実際に、韓国繊維産業連合会の資料によれば、米国の環境配慮型アパレル市場の規模は、最近10年間で300%以上の伸びを示し、50億ドル以上となっている。ワン代表は「国内でも関連市場は伸びているが、プリーツママのように生産から流通まで、すべての過程を環境配慮型にしようとしているブランドは珍しい」と付け加えた。
◆美しい好循環ミーサイクル(Me-Cycle)
プリーツママは「自分が捨てたペットボトルがバッグに生まれ変わる」というスローガンを掲げた。会社はリサイクル(Re-Cycle)とアップサイクル(Up-Cycle)を越えて、「自分(Me)」から始まる価値の消費と美しい好循環、「ミーサイクル(Me-Cycle)」という概念を提示し、顧客とコミュニケーションしている。
プリーツママは韓国で初めて使用済みのペットボトルをリサイクルしたブランドとして名を刻み、海洋廃プラスチックをリサイクルする初のブランドとして、環境にやさしいファッション産業をリードしている。 2020年6月には済州開発公社、暁星TNCとの協業で廃資源の国産化を成し遂げた。それまではリサイクルに必要なペットボトルの供給は、日本や台湾から輸入する洗浄済みのペットボトルに頼っていた。
ワン代表は、「リサイクルが廃漁網のような海洋ごみにまで広がったという点は肯定的で、今のところはまだPET素材のリサイクルに集中しているが、多様な資源をリサイクルする技術が開発されている」と語った。
プリーツママはこれまでペットボトル185万本をリサイクルして商用化に成功した。これは500mlを基準としたもので、長さにすると地球を50周、地球と月の間を2.6回往復できる長さということだ。
プリーツママは「やさしい(環境配慮型)素材」にばかりこだわっているのではない。 「良いデザイン」もファッション業界で生き残るための勝負において欠かせない。
ワン代表は「ブランドのモットー「ルックシック、ビーエコ(Look Chic、Be Eco)」で、「ビーエコ」よりも「ルックシック」が先にあるように、プリーツママは結局のところファッションブランド」だと語った。彼女は「選ばれるデザインのためにすべての力を注いでおり、自らデザインに関与してデザイナーとして数十年積み上げてきたキャリアが込められている」と付け加えた。
消費者がプリーツママのアイテムを選ぶもう一つの理由がある。それは「折りたたんで保管できる」ということだ。
ワン代表は「初期のデザイン作業から消費者の立場で携帯性を活かせるようにした」とし、「実際に多くの顧客がこのような点を好んでくれている」と語った。彼女は「たたんで広げたときに、プリーツがきれいに出るかどうかは技術力にかかっている。私たちの技術チームが1年間かけて糸の配合技術に取り組み、優れたプリーツの復元力を実現した」と付け加えた。
◆「ESG、いつの間にか消え去る一時の流行ではない」
プリーツママではESG(環境・社会・ガバナンス)が世界的なイシューとなった点が大きな好材料だと語る。つまり、環境のためになる製品に金銭を使う「価値ある消費」のトレンドが定着しつつあり、資源循環システムの構築に資本を投入する国と企業が増えているということだ。ESGはすぐに消えていく流行ではなく、長期的な観点から産業全体を変えていくものと考えられるという点はさらに肯定的だ。
プリーツママは独自の努力だけでなく、このような好機を足場として、今年二桁の成長を目指している。今年3月には「ラブソウル」エディションでマンツーマンやレギンスなどのワンマイルウェアへと製品群を拡大し、ライフスタイルブランドとしての飛躍への一歩を踏み出した。9月にもプレミアムラインナップとして様々な新アイテムをリリースする予定だ。
もちろんプリーツママもファッション業界を取り巻く状況を免れることはできない。
ワン代表は「ファッション産業はどの産業よりもレッドオーシャン化が進んでいる」と述べた。「(ファッション産業)参入障壁が相対的に低く見えるという錯覚も、レッドオーシャン化が進む理由かもしれない。この産業こそ真正性のあるストーリーが重要で、顧客と共に考え、成長したブランドだけがつくり出していけるものだ」と語った。
グリーンウォッシング(見せかけの環境への配慮)も憂慮すべき課題だ。偽物の環境にやさしい製品に阻まれて、本物は背を向けられてしまう可能性があるという意味だ。
ワン代表は、「最近、技術的にリサイクルが不可能なコラボレーションを提案されて断ったことがある。他のブランドがその提案を受けて商用化すると聞いたが、グリーンウォッシュの事例を目にするのは残念なことだ」と語った。「一般の人が環境にやさしい製品の真偽を区別するのは難しく、制度的に環境配慮に関する認証を強化して消費者を保護すべきだ」と付け加えた。
環境にやさしい製品ほど原価が高くなるという点も克服しなければならない課題だ。他の製品にはないリサイクルのプロセスがあることから、コストは当然のことながら高くなる。
ワン代表は「リサイクル製品がなぜこんなに高いのかと言う消費者も多い。皮肉なことに、製品の多くはリサイクルして作るよりも新しく作る方がはるかに安い」と述べた。「私たちの立場としては、コストがかさむので理解していただくしかない。ストーリーやデザインといった高付加価値で勝負するというのが私たちの宿題だと思う」と付け加えた。